医療脱毛で医療費控除を認められた事例ってあるの?皮膚科と美容外科の違いも
そろそろ確定申告の時期です。
毎年1月といえば私は確定申告のために各種控除(地震保険、生命保険、住宅ローンなど)の為の領収書や医療控除のために医療機関の領収書を集めている時期になります。
医療費控除とは(前年)1月1日から12月31日までに自分や同居している親族の医療費を払った場合、その合計の医療費から10万を引いた医療費が所得に応じて一部返還されることです。
医療脱毛を受けるとほぼ確実に10万円は超えますので、医療機関で脱毛を受けるなら「医療費控除ができるのでは?」と考える方も多いと思います。
もしも医療脱毛が医療費控除できれば高額なので数万円お金が戻ってきます。
今回は医療脱毛と医療費控除についての記事を書きますのでご覧になってください。
美容外科と皮膚科の違いとは
美容外科とは、手術や矯正などにより見た目を改善することを目的としています。
美容外科は、主に医療脱毛、若返り治療、薄毛治療、美容整形などを行います。
美容外科は、あくまで美容の向上や見かけを良くするのが目的で、病気やケガではないので健康保険を使う事ができない自由診療になるので医療費は全額自己負担となります。
皮膚科は、病気や怪我の治療を行います。
皮膚科の主な治療といえば、皮膚の外傷、湿疹、アトピー性皮膚炎、水ぼうそう、ヘルペス、水虫、毛嚢炎、虫刺されなど皮膚に関する病気やケガの治療が専門になります。
治療を目的とした皮膚科なら健康保険を使用することできるので医療費は一般成人なら3割の負担で治療することができます。
しかし、最近では健康保険が使える保険診療の皮膚科を「一般皮膚科」とし、保険診療外である医療脱毛やケミカルピーリングなどを「美容皮膚科」として同時に診察する皮膚科もあります。
皮膚科の脱毛は医療費控除は認められる?
医療レーザーを用いた医療脱毛は治療でなく、外面上の美容の改善なので皮膚科であっても、美容目的なので医療費控除は受けることができません。
しかし、いつか毛に悪性のウィルスがつくような病気が発見され、医療脱毛が生命の危険を回避するための治療となるなら医療費控除できるようになるかもしれません。
あるいは、現時点で医療脱毛が生命の危険を回避するための治療行為だと医師が証明してくれれば申請はできかもしれませんが、そんな破天荒な医師はいないでしょう。
申請しても税務署を敵に回すだけですので、辞めましょう(笑)
ただし医療脱毛でなく医療レーザーの使用に関しては、医師の判断により放置すると危険なホクロなどと判断されれば医療レーザー使用によるホクロの除去に健康保険が適用され医療費控除は認められるケースもあります。
この場合の危険なホクロとは、放置しておくと皮膚がんになるようなものを指しており、疾病の治療により医療レーザーを用いた治療が必要であると医師が判断した場合に医療費控除が使えることがあります。
当然、美容目的のホクロの除去による医療レーザーの使用に医療費控除は認められません。
医療脱毛や脱毛サロンの脱毛行為の原因で起きた皮膚の外傷である火傷や毛嚢炎などの治療は健康保険も使え、医療費控除の対象となります。
医療脱毛クリニックでは医療費控除は認められない理由
医療脱毛は、皮膚科であれ美容外科であれ、病気の治療ではなく、美容目的による見た目の改善になり、医療費控除を受けることができません。
医療脱毛クリニックでは、皮膚科と異なり健康保険が使える保険診療を行っていません。
よって医療脱毛で万が一火傷や毛嚢炎などのがあったとしても治療費や薬代は脱毛費用に含まれていて医療脱毛クリニックが負担してくれるところがほとんどです。
美容目的である医療脱毛クリニックでの医療費控除は今のところ認められないのが現状です。
美容行為とは具体的にどういったことなのか
美容とは美容師法に「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義されています。
これから考えると、美容行為とは、あくまでも手術などせずに容姿を美しくする比較的手ごろな行為ということができます。
医療脱毛は美容行為ではなく、美意識に基づく見た目の改善をよくすると定義される臨床医学の1つが美容外科の分野による見た目の改善になります。
似たような言葉に美容整形といのもありますが、この場合は健康な皮膚に手術を施し、豊胸、目のたるみ、二重まぶたの見た目の改善を行うことです。
美容整形は、医師法に定められている正規の診療科ではないので美容整形外科という言葉は使わず、美容外科の一部に含まれているケースもみられます。
形成外科という言葉もありますが、形成外科学はwikipediaによると
形成外科学(けいせいげかがく、英語: plastic surgery)とは、先天的あるいは後天的な身体外表の醜状変形に対して、機能はもとより形態解剖学的に正常にすることで、個人を社会に適応させる事を目的とする外科学の一分野。
引用元:wikipedia
形成外科学の定義からみても美容整形とは異なりますね。
この説明をみると、形成外科が美容整形が失敗した時の駆け込み寺のような存在になっているのも分かる気がします。
医療費控除を認められた事例はあるの?
美容目的である、医療レーザーを用いた医療脱毛で医療費控除の申請は認められません。
国税庁のホームページによると医療費控除の対象となる医療費は次のとおりだそうです。
- 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)
- 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)
- 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)
- 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)
- 助産師による分べんの介助の対価
- 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価
- 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
引用元:国税庁ホームページのNo.1122 医療費控除の対象となる医療費
これをみても、医療控除が受けられるのは、医師又は歯科医師による診察又は治療の対価であり、見た目を改善する美容が目的の医療脱毛の医療費控除は認められません。
健康保険が使えないから医療費控除できない?
これまで医療脱毛は医療費控除できないと言ってきました。
健康保険が使えれば病気やケガの治療になるので必ず医療費控除はできます。
しかし健康保険が使えないからと言って必ずしも医療費控除ができないとは限らない点について説明したいと思います。
例えば美容に関する事が専門の湘南美容外科は一見、美容がメインなので医療費控除できないと思いがちです。
しかし、医師の治療の対価と認めれるレーシックやインプラントは医療費控除の対象となります。
医療脱毛や脂肪吸引や二重まぶたにするような手術は美容目的なので明らかに医療費控除はできませんが、美容目的以外の目や歯に関することは医療費控除できるケースもあるので高額な医療費は医療費控除できるかをあらかじめ確認することをお勧めします。
まとめ
- 医療費控除とは(前年)1月1日から12月31日までに自分や同居している親族の医療費を払った場合、その合計の医療費から10万を引いた医療費が所得に応じて一部返還されること。
- 美容外科とは、手術や矯正などにより見た目を改善することを目的とし主に医療脱毛、若返り治療、薄毛治療、美容整形などを行う。
- 皮膚科は、皮膚の外傷、湿疹、アトピー性皮膚炎、水ぼうそう、ヘルペス、水虫、毛嚢炎、虫刺されなど皮膚に関する病気やケガの治療が専門で健康保険を使う事ができる。
- 健康保険が使える保険診療の皮膚科を「一般皮膚科」とし、保険診療外である医療脱毛やケミカルピーリングなどを「美容皮膚科」として同時に診察する皮膚科もある。
- 医療レーザーを用いた医療脱毛は治療でなく、外面上の美容の改善なので皮膚科であっても、美容目的なので医療費控除は受けることができない。
- 疾病によっては医療レーザーを用いた治療は医療費控除の受けることができるが医師の判断による。
- 医療脱毛や脱毛サロンの脱毛行為の原因で起きた皮膚の外傷である火傷や毛嚢炎などの治療は健康保険も使え、医療費控除の対象となる。
- 美容行為とは、あくまでも手術などせずに容姿を美しくする比較的手ごろな行為ということができます。
- 医療脱毛は美容行為ではなく、美意識に基づく見た目の改善をよくすると定義される臨床医学の1つが美容外科の分野による見た目の改善。
- 美容整形は、医師法に定められている正規の診療科ではないので美容整形外科という言葉は使わず、美容外科の一部に含まれているケースもみられる。
- 美容目的である、医療レーザー脱毛で医療費控除の申請できない。
- 健康保険が使えなくても、必ずしも医療費控除ができないとは限らない。
- レーシックやインプラントは美容外科でも扱う分野だが医療費控除の対象。
- 医療脱毛や脂肪吸引や二重まぶたにするような手術は美容目的なので医療費控除はできない、美容目的以外の目や歯に関することは医療費控除できるケースもある。
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